業用虚空像菩薩坐像
像高 96.4cm

木造五大虚空蔵菩薩坐像(ごだいこくうぞうぼさつざぞう)

 京都市右京区の神護寺(じんごじ)は、唐から帰朝した空海が真言密教の拠点とした寺院で、空海および弟子の真済の時代に伽藍、諸仏が整えられ鎮護国家の真言密教寺院として歴史的に重要な役割を果たしてきた。
 国宝の五大虚空蔵菩薩は、承和3年(836)仁明天皇の勅願により、真済が宝塔院(承和12年完工)の本尊として造立した像。五大虚空蔵菩薩としては最も初期の遺例であり、平安初期の特徴的な乾漆併用木彫像である。法界虚空蔵は白色、金剛虚空蔵は黄色、宝光虚空蔵は緑青、蓮華虚空蔵は赤色、業用虚空蔵は黒色の肉身となっている。
 5躯とも表面に付着する木屎漆が風化により粉状化して剥落が進んでおり、錆漆下地・白下地、彩色についても風化により浮き上がり、剥落がある。
 5ヵ年計画の修復は、本年度で完了する(住友財団としては4年目)。


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