本紙 180.5cm×165.7cm

 小原友閑斎筆(こはらゆうかんさいひつ)「星祭図(ほしまつりず)

 佐賀城の西堀近くに位置する與賀神社(よかじんじゃ)は、欽明天皇25年(564)創建と伝えられ、産土神社としてまた江戸時代には佐賀城の鎮守としても尊崇を集めてきた。重要文化財をはじめとした数多くの文化財を有する神社で、境内に建つ七夕堂で毎年8月7日に行われる七夕祭の神事でこの「星祭図」が飾られてきた。作者の小原友閑斎は狩野有信の名でも知られ、明暦2年(1656)には51歳で佐賀藩絵師として召し抱えられ、第3代佐賀藩主鍋島綱茂(1652〜1707)の画の師範を務めた。画風から、狩野探幽の強い影響がうかがわれ、江戸で狩野派に学んだと推察されている。
 制作以降これまでに何度かの修復がなされてきたが、多数の皺や折れが生じ、一部に紙継ぎの剥がれ、亀裂、破れも見られる。墨や彩色の剥落もあり、表装の劣化も進行している。2ヵ年計画での修復事業は本年度で完了する。


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