第七尊
本紙 112.7cm×59.3cm

絹本著色 十六羅漢像(じゅうろくらかんぞう)

 龍光院(りょうこういん)は臨済宗の寺院で、大徳寺派大本山大徳寺の塔頭である。慶長11年(1606年)に筑前藩主黒田長政が、父如水(黒田官兵衛孝高)の墓を建てたことに始まるという。開基は、春屋(しゅんおく)宗園(円鑑国師)。
 十六羅漢像は、中国元の時代に制作されたと考えられる仏教絵画の名品。十六羅漢は宋代以降盛んに描かれ、我が国にも数多くもたらされたが、本品は図像内容の豊かさと筆致の精緻さにおいて抜きん出ている。また、落款印章により、各幅に墨書されている尊者名が、鎌倉時代後期の元からの渡来僧一山一寧の筆であることが判っている。
 経年による損傷は著しく、画面全体の強い折れ、絵絹の欠失や顔料の剥離が進み、裏彩色が露出している箇所も多い。絵具層の剥離・剥落・擦れ、緑青の絵具焼けによる変色も生じている。8ヵ年計画で修復を図っており 、本年度が3年目となる。


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