各 48.0cm×200.0cm

 紙本金地著色 唐獅子図(からじしず)3面(狩野山楽筆(かのうさんらくひつ)

  養源院(ようげんいん)は、文禄3年(1594)豊臣秀忠の側室淀殿が亡父浅井長政らの菩提を弔うため創建されたが、元和5年(1619)に火災に遭い、元和7年に淀殿の妹である徳川秀忠の正室によって再建された。
 養源院は、俵屋宗達一派による重要文化財の金地著色松図などが著名であるが、本図は養源院再建の際に宗達の襖絵とともに、狩野山楽(1559〜1635)によって描かれたと考えられている。山楽は狩野永徳の養子で、永徳の画風を最も忠実に受け継ぎ、京狩野の祖とされている。
 仏壇羽目板の唐獅子図3面に描かれた6頭の獅子は、小画面ながらたてがみを風になびかせ、動勢に満ちた姿態表現に特色があり狩野派の特徴をよく表している。しかし、積年の塵埃を被り、大きな亀裂、絵の具の剥落も見られ、裏打ち紙も糊離れにより本紙を支えていない状態となっている。


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