指図(左:平面図、右:起こし絵図)

 大工頭中井家関係資料(だいくがしらなかいけかんけいしりょう)

 「大工頭中井家関係資料」は、江戸時代を通じて京都大工頭を世襲した中井家伝来の資料である。総数は、近代のものを含めて約8,000点にのぼるが、そのうち、近世の文書記録類3,942点、指図・絵図類645点、典籍類515点、書画・器物類93点の合計5,195点が重要文化財に指定されている。
 中井家の家職は、畿内および近江の大工、杣、木挽を配下に治め、6ヵ国内の公儀作事を一手に引き受けた。大阪城、二条城、名古屋城などの城郭、上方の幕府関係の武家屋敷、京都御所や公家屋敷、公儀作事による寺院(方広寺、知恩院など)・神社など、当時を代表する建築物の指図(平面図、立体図、断面図、起こし絵図など)は、大変貴重な資料である。
 江戸時代から保管されてきた中井家御用蔵の老朽化により保存環境が悪化し、紙質の劣化、虫損の発生、紙継や貼札の剥がれ、折目の破れなど、全体に損傷が進んだため、大阪市立住まいのミュージアムに寄託された。 修復は、3ヵ年計画で行っており、本年度はその最終年度となる。


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