持国天立像  像高 73.2cm              薬師如来坐像  像高 49.4cm

 木造持国天立像(じこくてんりゅうぞう)他8躯

 高知県安芸郡安田町の真言宗豊山派の北寺(きたでら)は、大宝2年(702)善有を開山として創建されたと伝えられ、寺号は最御崎寺(ほつみさきじ)の東寺、金剛頂寺の西寺の通称に対して呼ばれていた北寺という通称が正式な寺号となったとされている。「寺記」と「南路志」には、大同年間(806〜810)に空海が金剛頂寺を建立した際、馬路村の西山深谷にその用材を杣取し筏にして安田川に流した。その用材の一部を使用して北寺を再建したとある。また、天正15年(1587)の安田庄検地帳には光明寺とあり、当時はこれが正式の寺号であったとみられる。その後寺勢が衰え、廃仏毀釈の影響もあり明治4年(1871)に廃寺となったが、昭和23年(1948)に再興された。
 北寺には、平安時代に造像された仏像9躯(持国天立像、増長天立像、薬師如来坐像、釈迦如来坐像、菩薩形立像その1からその5)があり明治44年に重要文化財に指定された。経年による埃や煤が全面を覆っており、持国天立像は転倒による損傷を修復しないままの状態のため、早急な修復が必要となっている。


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