像高 113.5cm

 木造馬頭観音坐像

 本像は、琵琶湖北部、大浦川が南流する大浦谷の山門地区に伝わる等身大の馬頭観音坐像で、現在は山門公民館に安置されている。頭頂に大振りの馬頭を戴き、忿怒開口する本面とその両脇に同じく忿怒の面をつけ、それぞれ炎髪を表し、目を三目としている。現状は三面三目六臂像となっているが、当初は「八字文殊軌」にいう三面八臂像であったといわれている。
 おおらかな木取りや太作りでゆったりとした重量感のある造形から、平安後期11世紀の造像と推察される。
 像の各所に虫損、汚損が見られ、肩、臂・手首などの矧ぎ目の緩み、矧ぎ目を接合する鎹の腐食も進行しているため、早急な修復が必要となっている。

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