胎蔵界曼荼羅図          金剛界曼荼羅図
各本紙 117.0cm×88.5cm

絹本著色 種字両界曼荼羅図

 中山寺(なかやまじ)は、天平8年(736)に聖武天皇の勅願により泰澄大師が創建したと伝えられるが、延文年中に途絶え、その後再興された。その折に遍智院宮(1303〜1370)により寄贈されたとされるものが本曼荼羅図である。南北朝時代の絹本絵画資料として、高浜町にとって貴重な文化財。本曼荼羅図は真言系両界曼荼羅図で、各尊がそれぞれの仏を象徴する梵字(種字)で描かれており、胎蔵界と金剛界の2幅で構成されている。本紙の地に所々に截金による精緻な文様が残る、優れた技法を駆使した絹本絵画である。
 現状は、経年により絹本の欠失やそれに伴う絵具の剥落や折れ、亀裂などが多く本紙は全体的にシミによる汚損が見られる。2カ年計画での修復の最終年度となる。

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