吽形 像高84.0cm                         阿形 像高84.8cm

 木造狛犬

 本作品は、高鴨神社に伝わる阿吽(あうん)一対の狛犬像で、本殿内部の左右に随神像とともに祀られていたが、3年前本殿の修理工事の際の文化財調査から、鎌倉時代に遡る優品と認められた。
 檜の寄木造りで、構造は大略前後2材矧ぎで、内刳りを施す。現在残る彩色は後補で、当初の仕上げについては不明である。永年、屋外に祀られていたとみられ朽損が著しいが、背筋をのばした立ち姿は均整がとれ力強く、とりわけ阿形の毛髪の表現は独特である。類似の大宝神社(滋賀県栗東市)の狛犬像がその銘文から元亨年中(1321〜24)と考えられており、本像も同年代と推定され、鎌倉時代の作として注目される。
 全体に風化が顕著で彫刻面が摩耗し矧ぎ目が緩みその鉄釘が腐食している。2カ年計画の2年目にあたる。

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