像高 126.9cm

 木造善導大師立像

 善導大師は唐代浄土宗の大成者で、我が国では法然が専修念仏の師と尊崇したことから、浄土宗寺院で善導大師像が祀られるようになった。この像は、京都知恩院の画像、彫像と同じ姿であり、ほぼ同時期の慶派の仏師による作と思われる。顔貌表現に鎌倉時代前期の写実性を示しながら卑俗にならず祖師像としての精神性を表現しており、鎌倉時代肖像彫刻の中でも優品とされている。
 檜材の寄木造で玉顔嵌入、表面は錆下地黒漆塗白下地彩色であるが、現状黒色を呈している表面彩色の下層に堅地彩色があり、袈裟田相の梅鉢文が確認できる。
 彩色や金箔も一部を除き当初のものだが、汚れて黒ずみ、随所に浮きが見られ、剥落も進行している。脚部の矧目も緩み自立困難なためテグスで補強されており、急ぎ修復が求められる。

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