本紙 109.2cm×26.7cm

野坡筆「けふも又・初雪や」句自画賛

   志太野坡(やば)(1662〜1740)は、蕉門十哲の一人で、越前福井の商家に生まれ、幼年期に江戸に出て越後屋両替店の番頭になった。晩年芭蕉に親炙し、元禄7年(1694)「炭俵」を共編した。商用で肥前長崎に滞在したのを機に、筑紫および中国筋を俳諧行脚し、西国俳壇に「樗門(ちょもん)」と呼ばれる一大勢力圏を確立し、蕉風俳諧を普及流行させ、軽みの新風を宣布した。
 本作品は、数少ない野坡筆自画賛物の一つ。2句のうち「長さきの浦に有て」と前書きする「けふも又唐のかたからしぐれけり」句は、長崎の時雨を詠んだ句で、冬枯れの木に珍しいオランダ帽子と菅笠を結んだもの。
 画面の至る所に横折れと摩滅が生じ、経年の汚れや表装裂の劣化もあり、補修が急がれる。

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